認知症のかたとのやりとりは書面で(1)(母の場合)
とにかくメモる!
認知症になると、とにかく物忘れが酷くなります。
3分前のことすら覚えていられなくなります。
「5分まえにそれやったでしょう?」と言われて、「あ、そうだったそうだった!」と思い出せないのです。「え? 全然記憶にない」となるのです。ちょっと忘れてた、とは訳が違うのです。
なので親御さんに「すぐにメモを取る」という習慣を付けてもらいましょう。
スパイラル状の金具が背表紙についているミニメモ帳を買ってきてください。 そして、ベルト(うちの場合はペットボトルカバーの紐です)をつけてできあがり。 本当はペン(鉛筆だと折れてしまう)もひっつけておくと完璧です。 これを肩から斜めがかけしてもらっています。 「記憶」できないなら「記録」です。 花瓶をこっちからこっちに動かした。○○さんが来訪。○○を捨てた。 何かしたら書く。 これが一番てっとりばやいと思います。
実家の母に渡したノート実家のモノを借りる場合
そして、近距離介護をされているかたに気をつけてもらいたいのが、「親御さん宅からものを持って行く、借りる」場合です。
親子ですから、割と簡単に、「お母さん、○○ちょっと貸してー」などあると思います。
また、独居で高齢の親御さんの場合、お子さんが金銭の管理をされている場合も多い。
「お母さん、○万円渡したよ」「銀行カード持って行くね」「通帳をかりるね」
といったやりとりも頻繁にあるのではないでしょうか?
認知症になると、貸したこと、借りたこと、すっかり忘れてしまいます。(そして多くの場合、自分の都合のよいふうに物事を決めつけたりします)
しかも、「金銭に絡む貸し借り」のトラブルは特に起こりやすい。
ですので、「貸し借りノート」を作って、必ずこれに書き込み、親子それぞれのサインを入れておくといいと思うのです。
認知症が酷くなると「物盗られ妄想」が酷くなります。 「通帳を返せ」 「貸した金を返せ」 などなど、言いがかりに近いことも言われることも少なくありません。(もちろん認知症という症状がそうさせているのですが) このノートを作ることでどこまで「物盗られ妄想」が防げるかわかりません。 でも、やらないよりやってみるのがいい。そう思っています。
実家に置いてある貸し借りノート。ペンもくくりつけました。